覚醒剤を使うと その2

覚醒剤というのは本当に人がかわります。
使い始めに僕がはまったのは、近くの海岸や真っ暗な人気のないところで、暴走族や不良やらを探しまわりました。もちろん覚醒剤のせいで、無敵な気分になっていたのといろいろとストレスがあったのでその発散に木刀をもって大暴れしていました。毎日毎日ひとりで木刀や模造刀をもち、暗闇をブラブラと徘徊しては怪しい奴を探していました。自分が怪しく危ない奴だとは全く気づかずにです。僕を見た人は全員走って逃げていきました。しかも、運よく、警察は来たことがありませんでした。そこから覚醒剤から脱法アロマにかわり、さらにキチガイ度があがりました。そのころになると、脱法でつかまらないとしても、これは危ないクスリだと回りもきずき、僕もきずきだしました。それまでは、父が自害したのを目撃したショックから頭がおかしくなったと周りは思っていたみたいでまさか僕が変なクスリをしているとは思われていませんでした。しかし、クスリがばれてからは家族も止めてきましたが、隠れてやったり、外でやったりしていたので止められることなく、毎日毎日やりました。だんだんと床下や天井裏から足音が聞こえる気がしたり、誰かがいるような気配を感じたりするようになりだしました。ドロボーか何かがいると思うようになり、木刀で天井を突き刺したり、壁を突き刺したり、屋根に登って探したりと、キチガイになりました。家族はどうすることもできずにいました。
少し話が戻りますが
ある日僕は家の二階でテレビを見ていました。まだクスリを知る前です。庭で 鉄かアルミを引きずる音がしました。僕は母が庭の手入れをしてるのかなとテレビをみていました。10分後、ギャーという妹の叫び声がしたので、急いで駆けつけるとそこにはアルミの脚立の横で、倉庫の屋根に紐をぶら下げた、てるてる坊主みたいにしている父がいました。あのアルミの引きずる音は半身不随の父が必死に誰かに止めてほしいと願いながら倉庫まで引きずる音だったとしりました。
クスリをすると音が大きく聞こえます。少しの音が屋根裏でした時、もしかしてドロボーがいるかのうせいがある。もしかしてそいつに家族が殺されたら後悔しても遅い。脚立の音を見に行かなかった後悔をにどとしないと、朝方まで音のするところを木刀をもって探し回りました。